好き度
降霊術と輪廻転生がテーマのアンソロジーです。作品が発表された時代は19世紀半ば〜20世紀初頭と狭く、時代の雰囲気が濃く感じられます。現代日本作家の書き下ろし作品もあります。
このシリーズの中で過去最速読了。輪廻転生が好きなので(現パロをほぼ転生設定にしたくなるくらいです)、ページを捲る手が止まらない!ああこれも好き!これも性癖!と楽しく読みました。ちょっと目が滑る時もありましたが、おおむね読みやすくストーリーも理解できる作品が多かったです。それでは個々の作品について軽く書いていきますので、ネタバレ回避したい方はブラウザバックしてください。
モレル夫人の最後の降霊会
翻訳ものあるある「最初のキャラ勢揃いシーンで名前が覚えられずに放り出しそうになる」を乗り越えれば楽しい。ごく短くシンプルな話。降霊会の描写が詳しく、他作品を読む時の参考になりそう。
我が墓を見よ
面白かった。文体とオチを変えればコメディータッチな作品にも出来そうなネタ。疑心暗鬼だった方がのめり込んじゃうのはいいですね。霊が本当にムカつく話しぶりで主人公と一緒にとっちめてやりたい!って気持ちになる。普通あばいてやったら勝ちなんだけど…。
世界で一番すばらしい物語
どうにかして前世の話を聞き出そうとする作家の奮闘が滑稽で哀しく面白い。けっこう感情移入しちゃった。読みやすくていいけど、前世の記憶の話自体はそんなに魅力的ではなかった。
ジョーンズの狂気
これ好きです。具体的な仕事内容を描写しなくても成立するんだな〜と勉強になった。前世の記憶と現実をきっぱり分けて生きている、というのを様々な表現で書いていてよかったが、ちょっとしつこいかも。途中でそんな展開に!?の後はどんどん結末へ向かってスピードアップ。
遠い記憶の球体
これ二次創作の転生ものが好きな人は絶対好き。一番上手い作品ではないかもしれないけど、性癖にくる度は一番。スカッとしたいとかロマンスが欲しいとか下世話なシーンが見たいとか、そういう欲望にも応えてくれる。読みやすさも上。舞台は中性イタリアだけど特に知識不要。
燦めく手と手
キャラクターについて途中で気づいてあっそういう!?と驚いた。いいですね、発想の勝利。昔の降霊術ものへのリスペクトも感じられて。
女優だった
一番読みやすいんじゃないか。いらない描写もある気がするけど、いい雰囲気。タイトルとあらすじで想像する通りかな。王道だからホラー初心者にも薦めたい。
降霊会奇譚
悲劇が近づいていくのをどうしようもなく見つめることしかできない。生きている者が死者に囚われるとどうなるか…生きているかぎり変わらないことなどないのに。ラストがイコールクライマックス。
モード=イヴリン
全体的にはっきりしない物言いだけど、特に最後が分かりにくい。もどかしく思ってる語り手の気持ちになる。悪人ではなく優しい人間だからこそどうにもならない。雰囲気はかなり好き。
昨日の友人
舞台が現代日本なのと語り手が社会人男性なのでイメージしやすく読みやすい。もっと友人の過去話が語られるかと思ったけど、わりとあっけないラスト。
闇を包む時刻の色
連作ですがこれだけ読んでも十分面白い。途中でどういうオチに持っていくか予想されるかな。