好き度
作者 青松輝
つまらないわけではなく、私が通ってこなかった諸々がないと理解できない、共感できないタイプの歌かな〜って感じです。男の子っぽく若く明るく傲慢さがギラギラと輝く、オーラのある歌集。しっとりした情感は感じない。結構さらっと作れちゃってるのかな〜って想像します。ほんとのところは知らないですけどね。
装幀がとても素敵です。真っ青な表紙に銀のタイトルと著者名。スタイリッシュで洗練されていて。
理解はしてないですと置きつつ……少し引いておきます。
数字しかわからなくなった恋人に好きだよと囁いたなら 4
11ページ「days and nights」より
さあ既に全然分からないぞ。人間としての肉体を失いロボットになった彼女が返してくれたメッセージなんでしょうか(妄想すぎる)。人をステイタスでしか見れなくなった社会に揉まれた彼女なんでしょうか。そのもの自体をその目で捉えずカメラ越しに画面越しにしか見ない彼女なんでしょうか。何もかも忘れていく彼女が最後まで覚えているのは数字なんでしょうか(どんなファンタジーだ)。4は死なのかシーッなのか詩なのか。
キルミー 好きになっちゃいそうだよ ミルキー 朝は夜のささやき
17ページ同上
私はこういう言葉遊びが入っているものにめっぽう弱い。最後のん?とちょっと引っかかる締め方も好き。可愛い女の子の言ってることでもいいな…とちょっと思いかけたけど、やっぱり違うな。
忘れない ことはできない 最寄り駅のキオスクはコンビニに変わって
49ページ「カミングオブエイジ」より
そのまんまの意味でよろしいでしょうか?そう捉えておきます。忘れないの後に一拍置いて、頑張ろうとはしたけど無理だなと諦めてる人。自分ではそう思ったけど現実を前にしてふっと力が抜けた人。どこにでもありそうなものがどこにでもありそうなものに変わってしまった。
無菌室のあなたは記憶喪失のあなたが夜にみる春の夢
101ページ「motion picture」より
つらつらと重ねられ結局よく分からないぞというこれが夢っぽい。真っ白な何もない空間にぽつりベッドとぼんやりした私がいる。
前奏でおきた手拍子がゆっくりまばらになるAメロの寂しさ
114ページ「tender」
私の人生にはもうまばらところか観客すらいないですよ……と落ち込んでいる時に思い返して悲しくなってしまった。キャー可愛い赤ちゃん〜!あら〜可愛い子ねえ何歳?がピークだとすると物心つかないうちに前奏終わってますからね。
とまあこんなふうに、一読で好きだなと上げるのも少なめ。しばらくしたら読み返したいです。