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世界が海におおわれるまで

参考資料(短歌)

好き度 4.3

作者 佐藤弓生
発行 2020年12月

2001年に発行された歌集の新装版。現代短歌クラシックス04。これはですね、中高生のときに出会ってたら危なかったです。貪り読んで学業に支障をきたしたかもしれません。

少し好きな歌を。

るり色の空の鳴る鳴る神奈月とおくを見ている人を見ていた

7ページ「パパの手は煙となって」

「とおく」の表記がいいですね、目線が合わないずっと向こうを思っている人の感じが出ていて。そして自分の方を見ていない人を見ているというのが好き。

風鈴を鳴らしつづける風鈴屋世界が海におおわれるまで

21ページ「夜の鳥」

全然分かっていないのですが!初見で惚れますよね、これ。読み終わった瞬間透き通った世界が、海が水平線上に広がる。一気に画が引いて。これまた透き通った鈴の音の余韻。たくさんの鈴が絶えず順番に重なり合うように大きく小さく波があるように……。

薬局のネオンを映しわたくしを追うわたくしのうすいぬけがら

33ページ「会社の椿事」

夜の街のネオンの妖しさ好きなんです。昼間とはまったく違う世界のようで。自分の影、ドッペルゲンガー、鏡の中の自分、というのも好き。ってことでこの歌も好きなのかな。「わたくしのうすいぬけがら」と平仮名が続くところがよいですね。

でたらめな薔薇の園生に風切羽やすめてリルケ、リルケルリ、ルリ

65ページ「リルケルリ」

エンタメ児童文学ならかなり買ってもらっていたのですが、初めてねだった詩集がリルケだったんです。だからリルケという文字が好きなだけ。こういう固有名詞とオノマトペをかける手法好きです。

文学の豊富な知識が必要とされるな〜ってのはかろうじて分かって、読み解くのは無教養ゆえ分かんないんですけど……でもとても素敵な歌集。誰か私にレクチャーしてほしいくらい。

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