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手折られた潮騒

屑籠収蔵庫

室町留文。シリアスかアンニュイか喧嘩か、明るくない話にしたかったらしい冒頭

海辺に生まれたから泳ぎは得意なのだ、とあいつは言った。武士ではないが土地では旧家であり、浜辺の見回りに行く父について行くのが幼いころの想い出だとも。
「そりゃ池で寝るくらい水が好きなわけだ」
「あれやめてほしいんだけどねえ」
思い切り嫌味を言ったつもりだったが、反応したのは伊作だった。
「どれだけ言ったって無駄だろう。卒業時には十徹できると信じているんだろうからな」
「さすがの文次郎でもそれじゃ死ぬね」
どうも寝ぼけた答えしか返さない同室にも苛立ちつつ、留三郎は無言を貫く文次郎へ視線を向けた。

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