現パロ(転生なし)王道留文を目指したらしい残骸
「文次郎はさみしがるだろうね」
ふと旧友の言葉が浮かんだ。いつものこととて、カッコのつかない絆創膏だらけの顔で苦笑していた彼の。
「僕はいいけど。ちゃんと言ってあげろよ、自分のためにもさ」
訳知り顔で続けるものだから腹が立って、俺がさみしがり屋なものか、むしろせいせいするわ、一生会えないわけじゃあるまいし、あいつの方がよっぽど泣くに決まってる。そんな反論をしたと思う。
「強がりもおまえらしいけど、正直にぶつかるのも美徳でしょ」
じれったそうに伊作は続けていた。
「その点留三郎は偉いよ。ちゃんと話そうとしてる。ねえ文次郎、分かっているんだろう?僕は言ったからね。もう知らないからね」
頑なに返事をしない文次郎に最後は怒り混じりの声になっていた。それでも答えなかった。答えられなかった。
見ないようにしているのに、無理やり蓋をこじ開けようとする。お節介は似たもの同士か、さすが親友だな。苛立って返した。伊作はしつこく言い募った。まだ言うの、明日が卒業なんだぞ、そんなこと──あ、ちょうどよかった、留三郎が──
「留三郎なんかどうでもいい」
冷たく吐き捨てた後なにを話したか覚えていない。哀れみと呆れ混じりの何かを呟いていたんだろう。ただ、憤然と歩き出した伊作の後ろ姿と、隣の男の無表情な眼差しだけがこびりついている。