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63.真夏の夜の夢

屑籠収蔵庫

このタイトルで夏のSSは鉄板でしょ!とうきうきで書き出したことは覚えています

夏が好きだ。夏祭りだとか誕生日だとかの楽しみが多いから、というわけでもない。単純に好きなのだ。
立花などは潮江のこの意見に真っ向から反対らしく、いかに日陰やエアコンの涼気に当たるべきかポジショニングを頑張っている。現代の高校にもなって扇風機のみのこの学校では、立花派──仲の良い5人も含めほとんどの生徒だが──はさぞ辛いことだろう。大量の宿題と蒸し風呂教室となれば、彼らの居場所は決まっている。
「あっ文次郎来たぞ!」
「よかった〜〜〜!文次郎、宿題教えてよ!」
音も立たず入室したつもりだったが、奴らはこういう時目敏い。こういう時だけと言ってもいい。うんざりした顔を向けてやっても、それでめげる組ではなかった。
「長次が『返却期限を三日過ぎているから来ると思う』って」
「小平太が『仙蔵は化学部会がある』って」
恨めしげに図書委員長を見やる。エアコンのベストポジション追求に余念ないらしい長次は、振り向くことなくソファの微調整に勤しんでいる。
諦めて伊作と留三郎の机を確認すると、山のようにプリントが積み上がっていた。
「いいだろ減るもんじゃないし。アウトプットも大事だろ」
正論を言われると弱い。
「どうせ部活やりすぎで禁止されただろ」
正論はよいわけでもないぞとも思う。嘘も方便とも言うのだ。

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