辞書の言葉を使って冒頭を書く練習のとき。なので結構不自然。団文+仙文にしたかったらしい。
老け顔だと言われることは、まあよいだろう。己が立派な大人に見えるということだ。だがこれだけはどうも納得がいかない。
「父性愛の目覚めを祈りますよ、ってなんだよ!」
憤慨する潮江を心底愉快そうに見つめて立花が答えた。
「団蔵と歩いていたのだっけか?ご愁傷様だな」
言葉とは裏腹に彼の目も口にもまったく同情の気配は見えず、潮江は眉を釣り上げた。
「だいたい俺は団蔵を鍛えるために走っていただけだ!」
「どこで」
「裏山で。かなりいい森を見つけたんでな」
「いつ」
「朝だ、委員会のついでにな。お供したいというもんで」
「つまり徹夜の後か」
「たった二徹だぞ、むしろ絶好調だ」握りしめた筆が折れる勢い。
「ああ、だいたい分かった」
「だろう?」
「父性愛どころか親愛の念すらなさそうだな」